芭子(はなこ)、春のおでかけ
あたたかい日だ。
俺はぐだぐだ起きると、問答無用に愛車の芭子125ccにまたがり、ぶらりとアズーロの工場へ。
春。さくらのつぼみが日に日にふくらみ、スギ花粉が人々を悩ませ、日本のフットボールが開幕の声をつげる。
そして俺は芭子にふたたびお世話になる。
そんなシーズンだ。
「うーす」
開口一発、社長が言う。
「すげえ音じゃない?」
へ?音?
俺は本当むとんちゃくである。日本中のベスパ乗りの中でおそらく最悪級だろう。
「タペット音がパタパタと・・・」
「オイルかえたほうが・・」
ファクトリーのスタッフが口々に言う。ひさびさに実家に帰ったダメ息子の態度や容姿をしかる父親のお説教のようだ。
「ダメだ、オイル変えましょう」
スタッフのKさんが半ばあきれ気味に行動を起こした。
俺はKさんにおそるおそるついていくと、ドレンから流れ出る恐怖の液体を目撃した。ぎゃ〜!
(規定量650mlに対してドレンからでてきた量は約50mlと超危険レベル)
すまん芭子ダメな男で


